めまぐるしく、同じことを5分間もすることができない。
ブルーレイで映画を見てるかと思えば、チャンネル録画の番組を見たり、テニスを見たり。
そばにいた奥さんは呆れていたけど、好きなようにと言う。
なぜ、こんな時間の使い方しかできないのかな。
振り返って見て、何してたんだろう、と思うはず。
「こころ」「白痴」が読みさしなのに、「夜はやさし」を手に取る。
義父の写真を眺める。
奥さんに連れられて、義父の墓に(まだ納骨はしてないのだが)を見に行く。御本尊を寺に返す。寺のそばの墓地、そこから国道を挟んで、義父の生家が遠く見える。いい場所だ。冬は雪だけど。
みんな骨になるのだな。
僕の骨はどうなるのだろう、誰が拾うのか。
生きている時だけだわ。
子供が僕の実家に預けられるのを嫌がり、パニックになり、僕は少し説得の努力をすればいいのだったが、面倒で、出かけていた奥さんを呼び出し、帰宅した奥さんに子供を連れて行ってもらった。
その出来事を今朝、奥さんと話していて、もう少し努力して僕だけで子供を連れて行って欲しかった、子供とあなた二人で外食したり外出することがないので、態勢がなってないからだと言う。
それがどうしたと言うのだ。
ここ半年、否、一年ばかし前から、死の予感
と言うか、事故に遭いそうとか、そんな雰囲気な予感がある。
よくわからないが、車を運転していて、誰かの運転する車がぶつかってくるとか。
不安がそう思わせるのか。
よくわからない、現実味がないのだ。
#容姿こそ若々しいものの、夫人は実は疲れていたのである。死の床は人を疲れさせるものだが、彼女はすでに二人の夫を看取っていたのだ。#