帰宅の際、いつもと違う道できた。すると、そこで、お世話になった人のことを思い出した。
一の湯の社長。そう呼んでいた。
廃油を銭湯の燃料にするため、僕の勤めていたガソリンスタンドにもよく来て、廃油を回収していた。ある時、廃油の入れ場所からいつものようにポンプでくみ上げていたが、何か詰まってた。そこで僕がエアーガンを突っ込んで空気で通そうかと二人でやったら、廃油が飛び散り、二人とも油まみれになる。
そこの銭湯に入れてもらう。奥さん、実は内縁関係だったか、元々はどこかの社長だったのだ、あれ油にまみれて、と。近くのラーメン屋で二人してラーメンとビールをご馳走になり、烟草を吸って談笑した。
あれから風のたよりで社長が亡くなられた。随分と時間が過ぎ、今日、そこを通ると、昨日のことのようにお世話になった社長を思い出した。セドリックに乗っていた。懐かしい。